生徒を積極的に授業に参加させるには(2):生徒の興味を引く例文を使う

英語の授業は,まず文法の導入から入ることが多いです。例えば「give +(人)+(物)」の文型を導入する場合,以下のような例文を示し説明するパターンが多いです。

Mike gave Mary a box. (マイクはメリーに箱をあげた)

大切な文法の導入で,このような例文を使うとほとんどの生徒は興味を示しません。この例文が生徒とは全く関係ないからです。マイクとは一体誰でしょうか。メリーとはどんな関係にあるのでしょか。しかも箱をあげてどうするのでしょうか。

指導者が「この文では人はMary で物はbox です。この文はgive +(人)+(物)の型になっています。さて次にMary をLucy に変えて,box をpen に変えるとどうなりますか?」

ここまでくると,生徒はLucy が誰かなど考えもしません。pen も普段みているペンかどうかさえも考えなくなるでしょう。かくして,生徒は文法に興味もわかないし,先生の話にも乗り出して聞いてくることはないでしょう。

ところが,指導者が古い野球のグラブを出して,Look at this glove. It’s very old. I played baseball when I was a junior high school. My father gave me this glove on my 23th birthday. と言って,以下の文を板書したらどうでしょうか。

My father gave me this glove on my 13th birthday.

生徒は,先生がいまだに大切にしている古いグローブに興味を示し,しっかり聞くことでしょう。続けて,生徒の中に入っていき,生徒のかばんを指して,Who gave you this bag? と聞いてもよいでしょう。生徒が英語で答えられず「おじいちゃんからもらった」と日本語で言ったとしたら,以下のように板書すればいいのです。

Akio’s grandfather gave him the bag.

以下,同じように繰り返すことができます。身近な人たちの持ち物を使って,生徒が興味を引きそうな話題を使って新しい文型を導入すると,生徒は内容に興味がありますから,必ず乗ってきます。導入で使う文であれ,練習問題に使う文であれ,できるだけ具体的な人物や物がイメージされ,生徒の興味を引く文を使うことが大切です。