生徒を積極的に授業に参加させるには(3):重要な文にアンダーラインを引かせる

実習生の授業を観ていると,本時の文法を説明し,単語の導入に入り,そして本文を(悪い場合は)訳していくというタイプが見られます。訳さないまでもQuestions & Answers やT/Fなどをして本文を理解させていくことが多いようです。

このような指導は生徒を受け身にしてしまいがちです。すべて教師からの一方的な問いかけだからです。授業ですから,教師の指示や問いかけは必要です。しかし,生徒が「自ら考える」ということがないと,生徒はなかなか積極的にはなれません。

そこで提案したいのが,本文を読んで最も大切な sentence にアンダーラインを引かせるという活動です。このように指示すると,生徒は否が応でも自分で本文の全体を読みなおすことになります。そして,このテキストの著者達がこの教材を通して何を伝えようとしているかを考えることになります。自ら考える時に生徒は最も積極的になります。

読解力とは,そもそも自分でテキストを読んで,その要点を掴むことです。しかし「自分で読んでみる」という機会はほとんど生徒には与えられていないという気がします。それは教師の側に「できるだけ沢山教え込みたい」という気持ちが強いからかも知れません。

しかし,私たちが生徒に付けたい力は「自ら読んで要点を掴むこと」です。自分で要点を見つけることができれば生徒にとって自信にもつながっていきます。そして,いつも「要点は何か?」と考えて読むようになります。

生徒を積極的に授業に参加させる方法としても,また,本来の読解力を付けさせるという点からもお薦めしたい方法です。