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公開授業も子供を育てる場!

2018年9月10日 - 6:23 PM

公開授業も子供を育てる場!

今年も残すところあと僅かとなりました(この記事を書いたのは2012年11月29日)。この1年もいろいろな学校へおじゃまし,授業を観させてもらいました。私の頭の中には小・中・高のたくさんの先生方の授業が,今年も印象深く刻まれました。ありがたいことだと思います。

印象に残る先生の一人に,武雄市立朝日小学校のO先生がいます。6年生の担任で,公開授業では素晴らしい授業を展開しました。“Where do you want to go? の質問に対してI want to go to America because I like baseball very much. I want to see Ichiro in America.”というように答えていく活動でした。たどたどしい英語ではありましたが,発表した子どもたちは精一杯自分が行きたい国とその理由を言っていました。私は指導助言者として「たどたどしいながらも,自分なりに理由を考えて英語を話したことが良かった」などということを言いました。

そして,公開授業も終わって懇親会に出席しました。すると,隣のクラスの先生がO先生に向かって「あのA君,今日はよく発表しとったね。びっくりしたわ(佐賀弁で)」と言っているのです。私は何のことかと思って聞き耳を立てていました。するとO先生は「A君は,いつもは,自信なさそうに,何も言わんと,今日は自信をつけさせたかと(佐賀弁で)」と話しているのが聞こえました。私は,その話を聞きながら,感動で鳥肌が立ちました。

普通の先生ならば,公開授業なので「発表の上手い子」「元気な子」などを指名すると思います(私もそうでした)。しかし,O先生は逆でした。いつもはクラスで元気がない子,みんなから忘れられそうになっている子を100人以上の先生方が見つめる公開授業で指名していたのでした。

「いつものように何も言わないかもしれない。授業はそこで流れが止まるかもしれない」という不安が頭をよぎったかもしれません。しかし,教師の「子供を育てるプロ意識」の方が勝っていました。公開授業の場を,子どもの成長の場にしてしまったのです。この先生はすごいと思いました。

すごいと思うと同時に,自分の指導助言が,いかに表面的なものであったのかに気づき愕然としました。もう指導助言はできないと思いました。(記:2012年11月29日)

 

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