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授業を成功させる見えないカギ

2018年7月16日 - 12:25 AM

授業を成功させる見えないカギ

上から目線で申し訳ないが,ティームティーチングでは,指導者の人柄がよく出るように思う。効果的なティームティーチングを行える人は,授業以外でもチームワークができる人が多い。

二人いるのに二人の良さが活かされていない授業も多く観てきた。担任が主導するのは素晴らしいことであるが,ALTがいるにもかかわらず,ほとんどALTが活用されない授業もある。この場面はALTのほうがよいと思う時でも担任がやってしまう。ALTを使わないのなら,はじめから単独で行えばよいと思う。

新しい学習指導要領では「相手に配慮してコミュニケーションを行う」というのが加わっている。双方向のコミュニケーションにおいては,「相手への配慮」が必要なのは論を俟たない。ティームティーチングの授業においても,相手に対する配慮をすべきことは当然と思う。しかし,その相手に対する配慮のない授業は,観ているほうもつらい。

先日,ある小学校の校長先生から,「ティームティーチングが上手な教師は,職員の信望も厚い」という話を聞いた。私はなるほどと思った。

先日,参観した佐世保市の授業がそうだった。研究授業ではなく,通常の授業であったが,「好きなもの,嫌いなもの」を聞き合う活動で,担任の先生の好きなもの嫌いなものは分かったので,隣の先生はどうか聞いてみようということになった。そこで(もちろん打ち合わせていたのだが)隣のクラスの担任の先生が授業に登場し,担任どうしのティームティーチングが始まった。お互い同士の配慮が感じられて,英語の授業を超えて,胸が温かくなるのを感じた。

また,先週の,新潟市での授業では,英語主任の先生は授業を公開せず,徹底的に授業のサポートに回っていた。授業はモジュールを含めて,ベテラン,中堅,若手の7人の教師が公開した。おそらく英語主任の先生は全ての指導案に目を通し,授業づくりに関わったものと思う。当日は,疲れ気味であったが,授業を,時には心配そうに,また,時には,笑顔で見守っていた。授業が一番上手い先生は,授業を公開していなかった。

小学校では教科化に対応して専科指導も増えてくると思う。専科の先生と担任の先生とのTTも行われるであろう。授業の成功は,両者のコミュニケーションにかかっていると思う。単なる指導技術を超えて,こんなところにも授業を成功させるカギが潜んでいるかもしれない。(記:2017年9月25日)

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