Posted in 日々の想い

入試改革に期待(?)

2018年7月4日 - 9:27 AM

昨日は英語立県沖縄推進戦略事業の一環として小・中・高・大連携委員会が開かれました。この事業は今年で7年目を迎えます。小・中・高・大の先生方が,校種の垣根を越えて,平等の立場で意見を述べ合うとともに,教員の研修や,マイスター発掘プロジェクト(優秀な教員を発掘するプロジェクト)などを一緒に進めています。小・中・高・大の教員が企画から実施に至るまで,協働で取組んでいる事業は,他県にはあまり見られないのではないかと思います。

その会議の中で,高校の先生方のマイスター教員への応募が少ないことが話題になりました。公開授業のお願いをしても,高校3年生のクラスを担当しているという理由で断られるケースもあるということでした。小学校や中学校の先生からすると理解に苦しむことになります。しかし,高校の先生方は,「学習指導要領」と「大学入試」の両立という悩みも抱えています。進学校になればなるほど,その悩みは深くなります。高校2年生までは,英語の授業は当然のように英語で行い,ペアワークなども取り入れた活動型の授業を行っている先生でも,高校3年生を担当すると,とたんに日本語で文法を解説する授業に変わってしまうのです。

数年前の事ですが,英語科教育法の授業を受講している学生から,「私が受けたK高校(県内トップの進学校)のA先生の授業は素晴らしい授業なので,ぜひ,他の学生にも観て欲しい」という要望を受けました。私はさっそくK高校に連絡をとり学生を引き連れて授業を参観しました。A先生の授業は全て英語で,しかも生徒同士もほとんど英語で対話をしていました。これまで観た高校の授業では,最高レベルの授業でした。ところが,次の年も同じように授業参観を申し入れたところ,その同じA先生から,3年生を担当しているということで断られてしまいました。

時々,「高校の先生は学習指導要領を読んでいないのではないか。大学受験を言い訳にしているのではないか」という批判を聞くことがあります。確かに,それもあるかもしれません。しかし,学習指導要領を深く研究し,コミュニケーション型の授業を理想としながらも,迫りくる大学入試への対応から,学習指導要領に沿った授業を展開することができず,悩んでいる教師もいます。私はA先生の事例から,そのことを深く理解することができました。

しかし,私は,次の英語教育の展開に希望を持っています。大学入試が変わっていくのです。学習指導要領と入試の両立に苦しんだA先生の悩みが解決します。なぜなら,学習指導要領を踏まえた授業を展開していれば結果的に入試に対応できてしまうと期待されるからです。(あくまで期待です。課題は山積していますが・・・)

「小・中のように高校でもマイスターへの応募を増やすにはどうすればいいのでしょうか」と前述の会議で意見を求められました。私は,「高校はこれからではないでしょうか」と,理由を述べる時間はなかったのですが,迷いなく答えていました。(2018年5月4日)

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