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初めての教壇実践
今週から附属学校では教育実習が始まりました。琉球大学教育学部では3年次の前期を終えたところで教育実習を行います。これまで大学で学んだことを実際に現場で試してみます。そして課題を持ち帰り,大学でさらに学びを深めます。希望する学生には4年次で再び公立実習の実習を経験することができます。このようにして卒業まで「理論と実践」を往還させていきます。
今日は,多忙を極める中でしたが(笑い),実習生の様子を見に附属小学校へ出かけました。実習生は,高学年のクラスで道徳の授業を担当していました。テーマは「自由行動」。「修学旅行で,グループで自由行動をすることになった場合,みんなが満足する自由行動はどのようなものか」ということがテーマです。
実習生は「自由行動からどんなことを想像しますか」と問いかけて授業は始まりました。そして,授業は児童との対話形式で展開するはずでした。ところが児童の発話をうまくまとめて次へつなげていくことができません。実習生はパニックになりはじめました。その瞬間でした。担任の先生が,後方に座っている元気な児童を指名して,「〇〇さんは,どう思っているのですか。ちょっと,いつもの演説(?)をしてください。ほかの生徒は後ろの方を向いて〇〇さんの話を聞いてください」と指示しました。担任はその間,スッと実習生に駆け寄り授業の進め方についてアドバイスをしました。児童は後ろを向いていたので担任の先生が実習生にアドバイスをしていることなど全く知る気配はありませんでした。○○君が演説を終わった時は,担任の先生は元の位置に戻っていました。
授業はその後も何度か止まってしまいましたが,何とか授業を終えることができました。実習生は涙をこらえているようでした。初めての教壇実践で,いろいろな思いが込み上げてきたのではないかと思います。
私もなぜか込み上げるものがありました。担任の先生の配慮あるアドバイスには,清々しさを感じました。
実習生は,泣いたり,笑ったり,打ちひしがれたりしながら,これからの4週間を過ごしていきます。頑張って欲しいと思います。今日の授業のことも,担任の先生の配慮も忘れないで欲しいと思います。そして,学生の成長を支えている附属小学校の先生方には感謝しかありません。